人生の本質

21世紀を見つめながら、これを予測することは難しくも楽しいことである。私は電車に乗って窓外を見ながら思うことしばしばである。見渡すかぎりの住宅街。この果てしなく続く住宅の数。私はときめきを覚えないわけにはいかない。一棟一棟誰かが作ってきたものだ。わが社の供給している住宅の数など、太平洋に浮かべた小舟程度の数でしかない。構造物はいつかは朽ち果てる。あるいは時代やライフスタイルによって変革を迫られる。「永遠の産業としての住宅産業」、私はまずこの産業界で仕事をさせていただいている自分の幸福と、いったいこの巨大な市場で人びとに満足してもらえ、豊かな暮らしをおくっていただくための方策に思いをはせるとワクワクしてくるのである。私はこみ上げる思いを鎮めて静かにこれからの時代を、そして住まいを考える。人間にとって住まいとは何か、私は常にこの原点に立って考える。果てしなく続く住宅の数。その一つ一つの家には、各々の家族が、幸福感や夢を抱き、あるいは悩み、苦しみを抱え日常のドラマを展開している。これが生活であり暮らしである。この暮らしのステージの大半を住宅中心に行っている。ステージの広さ、機能、性能に満足している人は少ない。それは住宅という構造物には土地を必要とする絶対条件があり、また高額という条件がある。言葉をかえれば住宅問題の本質は経済問題であり土地問題である。今後の住宅という商品の開発も、この本質をしっかりと踏まえていなければならない。